ということで後編です。
後編は、結構失礼な話だったり、これから使おうと思っている方に対して、やる気をそぐような内容になります。ご容赦ください。
さて、まずニックフィットなのですが、はっきり言って、大会で結果を出すことは難しいデッキです。
多くの大会結果でニックフィットが話題にならない点からも、それは伝わってくることかと思います。
勝ち越しなどは十分可能ですが、全勝による優勝とかは非常に難しいです。現状でも、大会で結果が出ているのは4回戦くらいまでが多く、もっと大規模な大会ではなかなか結果が出ておりません。
というのも、欠点がいくつもあるからです。
まず欠点1
「遅いコントロールやコンボには勝てない」
ことがあげられます。これはまず、デッキの根本的な欠点です。
例えば、青白奇跡のようなコントロールデッキの場合だと、土地を伸ばしてから、「天使への願い」を打つだけで勝ち確定です。(もちろん、破滅的な行為には注意。)
また、コンボデッキ相手にはほとんどマグロ状態です。よほど序盤でうまいことハンデスで攻め、一気にライフを削り取らないと勝ち目がありません。
そのため、「遅いコントロール」を使う場合には、いかにしてキーカードを決めるか、ということが重要です。
例えば、「天使への願い」を「師範の占い独楽」による操作で、ライブラリートップ近くになるべくおいておき、ハンデスを警戒する。
相手の大きなクリーチャープレイの返しに、教示者でコンボパーツを持ってきて、さっさとコンボを決めるとか。
基本的にニックフィット自体が大振りなデッキのため、スキは結構出来ます。
コンボデッキを使う際には、ハンデスのみを警戒すれば、基本的に対抗策はないため、簡単にコンボを決められます。
この2点が根本的な欠点になっており、非常に厳しいです。
そのため、最近結果を出しているタイプとしては、「青黒緑」タイプが主流です。
なぜなら、青を足すことによって、「渦巻く知識」による安定性の向上と、「白鳥の歌」などの打ち消し呪文が採用できるからです。
対青白奇跡への相性などは、白鳥の歌だけでもかなり向上します。
(青白奇跡自体は打ち消し呪文が少ない。相殺コンボもあるが、メインから投入されている突然の衰微で対処しやすい。そのため、相手の天使への願いなどのキーカードを打ち消すだけでかなり楽になります。エンチャントも打ち消せますしね。)
とはいえ、コンボ相手には正直焼け石に水です。コンボには根本的に諦めたほうがよいレベルです。
さて、青を足す事の利点としてあげた、「安定性の向上」についてです。
欠点2
「安定性がない」
ニックフィットはドロー呪文が少なく、「師範の占い独楽」にかなり頼っています。
そのため、独楽が使えなかったり、「老練の探検者」が使えなかったりすると、それだけで動きが止まってしまうことがあります。
他に活躍している青の無いデッキ、例えばジャンドやマーベリックなどは、マナコストを抑え、序盤から強いカードを使える構成になっています。
しかし、ニックフィットはマナを伸ばすことが前提になっているため、当然マナを伸ばしてから使うカードは序盤には無意味ですし、逆に後半にはマナを伸ばすカードは無意味です。
表現を変えると、状況によって無駄になるカードが多い、とも言えます。
そのため、青を足して安定性を増やす構築が増えているのかもしれません。
(そして、青を足してマナコストを下げていくと、だんだんチームアメリカっぽくなっていきます。)
欠点3
「勝ちにつながる動きが他のデッキよりも遅い」(キルターンが遅い)
ニックフィットはマナを伸ばすデッキです。
例えば、5マナまで伸ばして、「スラーグ牙」を出したり、6マナ払って「墓所のタイタン」を出したりという動きは、非常に「遅い」と言えます。
ヴァラクートコンボについても、最低7マナが必要になります。
(それに対し、クロックパーミなどは1ターン目からパワー3を出してきて、7ターン目にはそれだけでも18点与えて試合を終えてきます。タルモゴイフなどを使えば、さらにダメージは加速します)
「老練の探検者」が使えない場合は、普通に手札から土地を置いていきマナを伸ばすしかありません。
その場合、非常にキルターンが遅くなりがちです。
つまり、キルターンが遅い以上、相手の攻撃をすべて受けて立つしかありません。
ニックフィットの勝ち方は、相手のクリーチャーはきちんと除去し、相手の置き物にもしっかり対処していく動きが求められます。(そのための除去、「突然の衰微」や「破滅的な行為」がつまれているわけです。)
そして、相手の動きが止まってきたところで、デカブツを召喚して逆転していくわけですね。
(コンボなどが相手だと、受けきることが出来ません。だから不利なわけですね。)
ということで、ニックフィットとどう戦うかという点です。
1 コントロールデッキを使っている場合
普通にコントロールして勝ちましょう。要所のみ打ち消せればなんとかなります。
2 コンボを使っている場合
大体勝てます。
3 カナスレなどのテンポデッキを使っている場合
非常に不利です。土地を伸ばしてくるため、すぐに「目くらまし」は効かなくなりますし、「呪文貫き」も使える場面がほとんどありません。
そのため、こういうデッキを使っている場合は、自分の勝ち筋を貫くしかありません。
「テンポを取り、相手のライフを削り取る」というものですね。
序盤からクロックを出し、相手のやりたいことを防ぐ。
相手の「老練の探検者」「破滅的な行為」を打ち消し、相手の動きがもっさりしている間にライフを削り取るのが理想です。
カナスレならば、序盤からライフを削り、後半は「硫黄の渦」「発展の代価」で削り取るプラン。
チームアメリカなどのハンデスがあるデッキだと、要所を落とすだけで相手の動きが止まったりします。欠点2であげたとおり、基本的に無駄カードが多いため、要所のみ防げば時間を稼ぎやすいです。
ちなみに、「墓忍び」は出せば勝てます。破滅的な行為で流されず、突然の衰微で落ちない。そして飛行持ちで高打点。パーフェクトです。
また、ヒム+リリアナで相手の手札を空にすることも効果的です。・・・もっとも、これはほとんどの相手に対して有効ですけどね。
要するに、相手はこちらの行動を受けて立つスタイルのため、受け切れないように動くしかありません。時間をかければかけるほど不利になるため、自分のデッキの勝ちパターンを意識し、なるべくそれにそって攻めましょう。
また、ニックフィットは、基本的に飛行クリーチャーが少ないため、デルバーやヴェンディリオン、未練ある魂といった飛行クリーチャーはブロックされません。墓忍びが理想です。
また、真の名の宿敵は当たり前ですが殴り続けられます。
サイド後の、「ゴルガリの魔除け」に注意しつつ、これらのクリーチャーで殴っていきましょう。
逆に、地上クリーチャーはブロックされやすいため、あまり効果的ではありません。
他 雑感 いずれまとめる・・・と思いたいです。
PWは非常に効果的です。
特に、4マナ以上のPWに触れる手段は少ないため、神ジェイスやエルズペスを着地させられればそれだけで勝てたりします。(相手の置き物対策である、破滅的な行為では壊されず、突然の衰微にもひっかからない)
この点も、コントロールデッキがニックフィットに強いという理由の一つです。
打ち消しは、マナに関係ない打ち消しの方が効果的です。
サイド後ならば、「白鳥の歌」だと、緑頂点と破滅的な行為の両方を対策できます。
出産の殻の起動は、クリーチャーの生贄がコストです。そのため、もみ消しが非常に効果的です。
土地を伸ばすデッキのため、長期的に見ると土地破壊には強いです。
ただし、序盤を長引かせることが出来るため、不毛の大地などで序盤に割れるのならば、さっさと割ったほうがよいです。
また、「ハルマゲドン」や「大変動」は非常に効果的です。大変動はたまに白系のデッキで見ることがありますが、本当に強いです。また、単純に並べまくってくるデッキでもあるため、いったん何らかの方法でリセットを行えれば、その後を非常に有利に戦うことが出来ます。
青だと、「隔離」「激動」でも一応ハルマゲドンに近いことは出来ます。ただし、限定的すぎますけどね。よほどニックフィットがまわりに多い時にのみ考えてください。普通は使わないと思いますし、強くないです。オススメできません。
今回、ニックフィットが前編・中編で紹介したとおり、非常に幅広い構成のデッキのため、こういう形の説明になりました。
なんていうか、デッキの相性が本当にわかりやすいデッキタイプなんですよね。
対クリーチャーデッキに強く、コントロールとコンボに弱い。まさしくビッグマナの象徴のようなデッキだと思います。
コンボ遭遇率の高い大規模大会では良い結果を出しにくいですが、草の根などでは良い結果を出せるデッキタイプなのかもしれません。
調整のしがいがあり、非常に面白いデッキでもありますし、根強い人気があるのも良くわかります。使っていて楽しいデッキですしね。
後編は、結構失礼な話だったり、これから使おうと思っている方に対して、やる気をそぐような内容になります。ご容赦ください。
さて、まずニックフィットなのですが、はっきり言って、大会で結果を出すことは難しいデッキです。
多くの大会結果でニックフィットが話題にならない点からも、それは伝わってくることかと思います。
勝ち越しなどは十分可能ですが、全勝による優勝とかは非常に難しいです。現状でも、大会で結果が出ているのは4回戦くらいまでが多く、もっと大規模な大会ではなかなか結果が出ておりません。
というのも、欠点がいくつもあるからです。
まず欠点1
「遅いコントロールやコンボには勝てない」
ことがあげられます。これはまず、デッキの根本的な欠点です。
例えば、青白奇跡のようなコントロールデッキの場合だと、土地を伸ばしてから、「天使への願い」を打つだけで勝ち確定です。(もちろん、破滅的な行為には注意。)
また、コンボデッキ相手にはほとんどマグロ状態です。よほど序盤でうまいことハンデスで攻め、一気にライフを削り取らないと勝ち目がありません。
そのため、「遅いコントロール」を使う場合には、いかにしてキーカードを決めるか、ということが重要です。
例えば、「天使への願い」を「師範の占い独楽」による操作で、ライブラリートップ近くになるべくおいておき、ハンデスを警戒する。
相手の大きなクリーチャープレイの返しに、教示者でコンボパーツを持ってきて、さっさとコンボを決めるとか。
基本的にニックフィット自体が大振りなデッキのため、スキは結構出来ます。
コンボデッキを使う際には、ハンデスのみを警戒すれば、基本的に対抗策はないため、簡単にコンボを決められます。
この2点が根本的な欠点になっており、非常に厳しいです。
そのため、最近結果を出しているタイプとしては、「青黒緑」タイプが主流です。
なぜなら、青を足すことによって、「渦巻く知識」による安定性の向上と、「白鳥の歌」などの打ち消し呪文が採用できるからです。
対青白奇跡への相性などは、白鳥の歌だけでもかなり向上します。
(青白奇跡自体は打ち消し呪文が少ない。相殺コンボもあるが、メインから投入されている突然の衰微で対処しやすい。そのため、相手の天使への願いなどのキーカードを打ち消すだけでかなり楽になります。エンチャントも打ち消せますしね。)
とはいえ、コンボ相手には正直焼け石に水です。コンボには根本的に諦めたほうがよいレベルです。
さて、青を足す事の利点としてあげた、「安定性の向上」についてです。
欠点2
「安定性がない」
ニックフィットはドロー呪文が少なく、「師範の占い独楽」にかなり頼っています。
そのため、独楽が使えなかったり、「老練の探検者」が使えなかったりすると、それだけで動きが止まってしまうことがあります。
他に活躍している青の無いデッキ、例えばジャンドやマーベリックなどは、マナコストを抑え、序盤から強いカードを使える構成になっています。
しかし、ニックフィットはマナを伸ばすことが前提になっているため、当然マナを伸ばしてから使うカードは序盤には無意味ですし、逆に後半にはマナを伸ばすカードは無意味です。
表現を変えると、状況によって無駄になるカードが多い、とも言えます。
そのため、青を足して安定性を増やす構築が増えているのかもしれません。
(そして、青を足してマナコストを下げていくと、だんだんチームアメリカっぽくなっていきます。)
欠点3
「勝ちにつながる動きが他のデッキよりも遅い」(キルターンが遅い)
ニックフィットはマナを伸ばすデッキです。
例えば、5マナまで伸ばして、「スラーグ牙」を出したり、6マナ払って「墓所のタイタン」を出したりという動きは、非常に「遅い」と言えます。
ヴァラクートコンボについても、最低7マナが必要になります。
(それに対し、クロックパーミなどは1ターン目からパワー3を出してきて、7ターン目にはそれだけでも18点与えて試合を終えてきます。タルモゴイフなどを使えば、さらにダメージは加速します)
「老練の探検者」が使えない場合は、普通に手札から土地を置いていきマナを伸ばすしかありません。
その場合、非常にキルターンが遅くなりがちです。
つまり、キルターンが遅い以上、相手の攻撃をすべて受けて立つしかありません。
ニックフィットの勝ち方は、相手のクリーチャーはきちんと除去し、相手の置き物にもしっかり対処していく動きが求められます。(そのための除去、「突然の衰微」や「破滅的な行為」がつまれているわけです。)
そして、相手の動きが止まってきたところで、デカブツを召喚して逆転していくわけですね。
(コンボなどが相手だと、受けきることが出来ません。だから不利なわけですね。)
ということで、ニックフィットとどう戦うかという点です。
1 コントロールデッキを使っている場合
普通にコントロールして勝ちましょう。要所のみ打ち消せればなんとかなります。
2 コンボを使っている場合
大体勝てます。
3 カナスレなどのテンポデッキを使っている場合
非常に不利です。土地を伸ばしてくるため、すぐに「目くらまし」は効かなくなりますし、「呪文貫き」も使える場面がほとんどありません。
そのため、こういうデッキを使っている場合は、自分の勝ち筋を貫くしかありません。
「テンポを取り、相手のライフを削り取る」というものですね。
序盤からクロックを出し、相手のやりたいことを防ぐ。
相手の「老練の探検者」「破滅的な行為」を打ち消し、相手の動きがもっさりしている間にライフを削り取るのが理想です。
カナスレならば、序盤からライフを削り、後半は「硫黄の渦」「発展の代価」で削り取るプラン。
チームアメリカなどのハンデスがあるデッキだと、要所を落とすだけで相手の動きが止まったりします。欠点2であげたとおり、基本的に無駄カードが多いため、要所のみ防げば時間を稼ぎやすいです。
ちなみに、「墓忍び」は出せば勝てます。破滅的な行為で流されず、突然の衰微で落ちない。そして飛行持ちで高打点。パーフェクトです。
また、ヒム+リリアナで相手の手札を空にすることも効果的です。・・・もっとも、これはほとんどの相手に対して有効ですけどね。
要するに、相手はこちらの行動を受けて立つスタイルのため、受け切れないように動くしかありません。時間をかければかけるほど不利になるため、自分のデッキの勝ちパターンを意識し、なるべくそれにそって攻めましょう。
また、ニックフィットは、基本的に飛行クリーチャーが少ないため、デルバーやヴェンディリオン、未練ある魂といった飛行クリーチャーはブロックされません。墓忍びが理想です。
また、真の名の宿敵は当たり前ですが殴り続けられます。
サイド後の、「ゴルガリの魔除け」に注意しつつ、これらのクリーチャーで殴っていきましょう。
逆に、地上クリーチャーはブロックされやすいため、あまり効果的ではありません。
他 雑感 いずれまとめる・・・と思いたいです。
PWは非常に効果的です。
特に、4マナ以上のPWに触れる手段は少ないため、神ジェイスやエルズペスを着地させられればそれだけで勝てたりします。(相手の置き物対策である、破滅的な行為では壊されず、突然の衰微にもひっかからない)
この点も、コントロールデッキがニックフィットに強いという理由の一つです。
打ち消しは、マナに関係ない打ち消しの方が効果的です。
サイド後ならば、「白鳥の歌」だと、緑頂点と破滅的な行為の両方を対策できます。
出産の殻の起動は、クリーチャーの生贄がコストです。そのため、もみ消しが非常に効果的です。
土地を伸ばすデッキのため、長期的に見ると土地破壊には強いです。
ただし、序盤を長引かせることが出来るため、不毛の大地などで序盤に割れるのならば、さっさと割ったほうがよいです。
また、「ハルマゲドン」や「大変動」は非常に効果的です。大変動はたまに白系のデッキで見ることがありますが、本当に強いです。また、単純に並べまくってくるデッキでもあるため、いったん何らかの方法でリセットを行えれば、その後を非常に有利に戦うことが出来ます。
青だと、「隔離」「激動」でも一応ハルマゲドンに近いことは出来ます。ただし、限定的すぎますけどね。よほどニックフィットがまわりに多い時にのみ考えてください。普通は使わないと思いますし、強くないです。オススメできません。
今回、ニックフィットが前編・中編で紹介したとおり、非常に幅広い構成のデッキのため、こういう形の説明になりました。
なんていうか、デッキの相性が本当にわかりやすいデッキタイプなんですよね。
対クリーチャーデッキに強く、コントロールとコンボに弱い。まさしくビッグマナの象徴のようなデッキだと思います。
コンボ遭遇率の高い大規模大会では良い結果を出しにくいですが、草の根などでは良い結果を出せるデッキタイプなのかもしれません。
調整のしがいがあり、非常に面白いデッキでもありますし、根強い人気があるのも良くわかります。使っていて楽しいデッキですしね。