さて、やる気が続いている内に、要望があったエメリアポッドについてです。
まとめ
http://pendrell.diarynote.jp/201309062125591347/
このデッキは、2012年のグランプリ神戸の併催レガシーで優勝という結果を出したデッキです。
それまで、多くの人がこの系統のデッキを軽んじていたところ、Yamaguchi, Koutarou(DN名koh)さんが独自の調整をし、素晴らしい完成度のデッキとして結果を出したわけです。
正直すごいものだと思います。
この後も、kohさんは独自の調整を続け、草の根などで結果を出し続けているようです。
オリジナルデッキで結果を出し続けるというところは非常にすごい事であり、なかなか出来るものでは無いと思います。
ということで、まず、2012年のグランプリ神戸の併催レガシーで優勝したレシピです。
『エメリアポッド』
Main Deck
9《平地/Plains》
1《山/Mountain》
1《Savannah》
1《Plateau》
4《空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin》
4《乾燥台地/Arid Mesa》
4《不毛の大地/Wasteland》
1《コーの安息所/Kor Haven》
4《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
3《前兆の壁/Wall of Omens》
4《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》
1《ちらつき鬼火/Flickerwisp》
1《理想主義の修道士/Monk Idealist》
1《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
1《崇敬の壁/Wall of Reverence》
1《アカデミーの学長/Academy Rector》
1《目覚ましヒバリ/Reveillark》
1《霊誉の僧兵/Geist-Honored Monk》
1《霊体の先達/Karmic Guide》
2《太陽のタイタン/Sun Titan》
3《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
1《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
1《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》
1《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
1《迫撃鞘/Mortarpod》
4《パララクスの波/Parallax Wave》
1《オパール色の輝き/Opalescence》
1《出産の殻/Birthing Pod》
1《殴打頭蓋/Batterskull》
Sideboard
1《審問官の総督/Inquisitor Exarch》
1《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
1《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
3《赤霊破/Red Elemental Blast》
1《紅蓮破/Pyroblast》
1《墓場の浄化/Purify the Grave》
1《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
1《無限の日時計/Sundial of the Infinite》
1《暖気/Warmth》
1《浄化の印章/Seal of Cleansing》
1《法の定め/Rule of Law》
2《神の怒り/Wrath of God》
その後、同じ方が、2012年の6月に、第7回 KMCで優勝したレシピです。
Main Deck
4《空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin》
4《不毛の大地/Wasteland》
4《乾燥台地/Arid Mesa》
1《Savannah》
1《Plateau》
1《コーの安息所/Kor Haven》
1《処刑者の要塞/Slayers’ Stronghold》
8《平地/Plains》
1《山/Mountain》
4《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
3《前兆の壁/Wall of Omens》
4《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》
1《ちらつき鬼火/Flickerwisp》
1《理想主義の修道士/Monk Idealist》
1《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
1《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
1《崇敬の壁/Wall of Reverence》
1《修復の天使/Restoration Angel》
1《霊誉の僧兵/Geist-Honored Monk》
1《霊体の先達/Karmic Guide》
1《目覚ましヒバリ/Reveillark》
2《太陽のタイタン/Sun Titan》
4《パララクスの波/Parallax Wave》
1《オパール色の輝き/Opalescence》
2《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
1《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
1《出産の殻/Birthing Pod》
1《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》
1《迫撃鞘/Mortarpod》
1《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
1《殴打頭蓋/Batterskull》
Sideboard
3《赤霊破/Red Elemental Blast》
1《紅蓮破/Pyroblast》
1《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
1《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
2《神の怒り/Wrath of God》
1《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
1《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
1《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
1《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
1《墓場の浄化/Purify the Grave》
1《審問官の総督/Inquisitor Exarch》
1《浄化の印章/Seal of Cleansing》
ちなみに、海外ではあまり使われることはないようです。
多少は検索してみましたが、もっとも上記のエメリアポッドの近いデッキで結果を出したのが、エクステンデッドで2011年3月にプロツアー予選で優勝した『Mono-White Control』ですね。すごい古いです・・・
一応モダンではエメリアを使ったデッキは多少はあるのですが、正直に言ってあまりよい結果を出しているレシピはないですし、結果を出しているのは、エメリアが入っている白ウィニーとかトークンデッキとかのようです。
一応そのレシピです。
『Mono-White Control』
creatures (18)
4 《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》
4 《ちらつき鬼火/Flickerwisp》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
4 《太陽のタイタン/Sun Titan》
4 《前兆の壁/Wall of Omens》
lands (24)
12 《平地/Plains》
4 《空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin》
4 《湿地の干潟/Marsh Flats》
4 《地盤の際/Tectonic Edge》
spells (18)
3 《迫撃鞘/Mortarpod》
4 《威圧の王笏/Scepter of Dominance》
4 《忘却の輪/Oblivion Ring》
4 《流刑への道/Path to Exile》
3 《審判の日/Day of Judgment》
sideboard
2 《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
4 《テューンの戦僧/War Priest of Thune》
3 《糾弾/Condemn》
1 《軍部政変/Martial Coup》
4 《記憶殺し/Memoricide》
1 《沼/Swamp》
さて、上記のYamaguchi氏のデッキですが、通常のレガシーのメタとは全く違ったこともあり、多くのデッキに対して劇的な強さを発揮します。
基本的には、パーマネントを使用したボードコントロールになるため、ビート系デッキに対して非常に強いです。
そして、カナスレ系などの土地を攻めてくるデッキに対しても強いです。
なんせ、土地25枚で、その中には基本地形が10枚も入っています。土地サーチカードも5枚も入っており、マナ事故への耐性が極めて高くなっています。
ただし、火力はやや苦手であり、火力多めのZooやトライバルズー(瞬唱の魔道士+部族の炎入り)はやや分が悪くなるようです。
もっとも、それを気にして、「暖気」「法の領域」などをサイドに積んでいるため、最終的にはそれほど相性が悪くはないようです。
搭載されているカードのほとんどが何らかのカードとシナジーを持っている上に、場に出た時の能力を持ったカードばかりで、1枚が2枚分のカードの効果を発揮します。
そのため、カード1枚が最低でも2枚、シナジーを形成できれば3枚以上の価値を発揮するため、単純な消耗戦にはかなり強いです。
ただし、1枚1枚が重かったり、打点が低かったりと、相手を早く倒すことは出来ません。
盤面を支配してから少しずつダメージを与えて勝つか、コンボによって勝つかのどちらかとなります。
ビート系に対して強い反面、コンボ系への相性は最悪です。
現在のコンボで主流の、ANTやSNTなどはもちろん、ハイタイドやハイブマインドなど、様々なコンボに対して構造的に勝つのが困難になっています。
当然サイドボードはコンボ対策に割かれていますが、正直言って焼け石に水な面があり、それほど相性が改善できるわけではないようです。
さて、このデッキは、1枚積みのカードが多いですが、どれもがシナジーを形成しているため引けなくて困る、ということはあまり無いようです。
例えば、5マナ域のクリーチャーは、《目覚ましヒバリ/Reveillark》《霊誉の僧兵/Geist-Honored Monk》 《霊体の先達/Karmic Guide》 の3種類となっています。
これらは互いにシナジーを形成しています。
例えば、ヒバリと先達はどちらもリアニメイト出来るカードですが、片方を2枚積んだだけではただのアドが取れるリアニメイトカードにすぎませんが、両方がそろえば、無限に循環させることが出来るようになります。
そして、どちらもデッキ内のほとんどのカードをリアニメイト出来ます。
このデッキは1枚刺しが多いものの、序盤の動きはある程度決まっており、
2ターン目には、 4枚入っている《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》か 3枚入っている《前兆の壁/Wall of Omens》 か1枚刺しの「迫撃鞘」をプレイする。
3ターン目には、巡礼者の目か、その他アドを取れるパーマネントを展開する。
4ターン目からは、シナジーとなるカードを使って動いていく、という感じです。
そのため、他の1枚刺しが多いデッキと違って、安定性が高くなっています。
さて、上記の解説の中で、コンボという言葉を使いました。
このデッキは、非常に多様な勝ち筋を持っています。コンボもその一つです。
ほとんどのカードが何らかのカードとシナジーがあるため、なかなかコレを警戒するべきとは言い難いのですが、特に気をつけたほうがよさそうなものを挙げます。
① 《パララクスの波/Parallax Wave》 +《オパール色の輝き/Opalescence》
オパール色の輝きによって、パララクスの波がクリーチャーになります。
コレにより、パララクスの波が、能力によって自分自身を追放できるようになります。
自分自身を追放した場合、当然自分が追放されてから、自分が戦場を離れた時の効果が誘発して、自身が戦場に戻ります。その際に、パララクスの波のカウンターが5つに戻り、他に追放したカードも戦場に戻ります。
これで、無限に出したり追放したりを繰り返すことが出来ます。
この際に、戦場に出た時に効果を発揮するカードが一緒に入れば、その効果を何回でも使えるわけです。
例えば、「前兆の壁」があれば無限ドロー。
「霊誉の僧兵」がいれば無限トークン+無限パワー・タフネス。(ここで剣を鍬にがあれば無限ライフです。)
という感じです。
② 《パララクスの波/Parallax Wave》 +《理想主義の修道士/Monk Idealist》
パララクスの波のカウンターがなくなって墓地に落ちる際に、理想主義の修道士を追放していれば、修道士が戦場に戻った時にパララクスの波を回収することが出来ます。
つまり、何回でもパララクスの波が使えるわけです。
③ 《パララクスの波/Parallax Wave》 +他のクリーチャー全て
②で挙げたコンボと同じなのですが、このデッキのクリーチャーは全て戦場に出た時の能力を持っています。そのため、自分でパララクスの波の能力で追放することで、改めて戦場に出た時の能力を使うことが出来るわけです。
このデッキのパララクスの波は、相手のクリーチャーを追放することももちろんあるのですが、相手のクリーチャーを他のクリーチャーでブロックし、ブロックしたクリーチャーをパララクスの波で取り除いて再利用する、といった使い方もします。便利なカードですね。
④ 《霊体の先達/Karmic Guide》+《目覚ましヒバリ/Reveillark》
霊体の先達は、戦場に出た時に墓地からクリーチャー1体を戦場に戻す。
目覚ましヒバリは、戦場を離れた時に墓地からパワー2以下のクリーチャー2体を戦場に戻す。
霊体の先達のパワーが2のため、ヒバリで戻せるため、ぐるぐると循環させる事ができます。
このデッキでは「ゴブリンの砲撃」といったマナを使わずに生贄に捧げる手段がないため、即座に循環させる事はできませんが、グルグルするたびにアドをとり続けることが出来ます。
⑤ 空の遺跡、エメリア+平地たくさん
時間をかけるデッキのため、最終的には土地(平地)がたくさん並ぶため、後は毎ターンエメリアでクリーチャーを戻し続ければアドが取り放題になります。
元々25枚という多めの枚数になっていますが、「巡礼者の目」「真面目な身代わり」といったカードが沢山入っているのはこのためです。
⑥ 出産の殻
全てのクリーチャーがアドを取れるため、毎ターン生贄に捧げ続けるだけでアドが発生します。
アカデミーの学長を持ってきて、①のコンボに繋げたり、その時に応じたカードを持ってこられるため、非常に厄介です。
⑦ 《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》 +《迫撃鞘/Mortarpod》
地味な、接死+1点ダメージのコンボです。
スタンだと、「イゼットの静電術師」+「ベラドンナの行商人」のコンボをやった人も多いのでは無いかと思います。
地味ながら、クリーチャー戦では無双です。
ちなみに製作者は、石鍛冶で最初に一番持ってくるのが「迫撃鞘」であると言っているくらいに「迫撃鞘」は重要なカードです。
デッキ名の、エメリアポッド自体、「空の遺跡、エメリア」+「迫撃鞘/Mortarpod」+「出産の殻/Birthing Pod」からきているとかなんとか。
他にも様々なシナジーに満ちあふれており、ぶっちゃけ作成者の偉大さが伝わってくるレシピです。スゴイもんです。
とにかくボードコントロールのため、コンボ以外には相当強いです。
使っていて楽しいですし、そこそこ愛好者はいるようです。
私自身、過去に大会で3回は対戦したことがありますしね。
後編では、この対策とサイドについてです。
まとめ
http://pendrell.diarynote.jp/201309062125591347/
このデッキは、2012年のグランプリ神戸の併催レガシーで優勝という結果を出したデッキです。
それまで、多くの人がこの系統のデッキを軽んじていたところ、Yamaguchi, Koutarou(DN名koh)さんが独自の調整をし、素晴らしい完成度のデッキとして結果を出したわけです。
正直すごいものだと思います。
この後も、kohさんは独自の調整を続け、草の根などで結果を出し続けているようです。
オリジナルデッキで結果を出し続けるというところは非常にすごい事であり、なかなか出来るものでは無いと思います。
ということで、まず、2012年のグランプリ神戸の併催レガシーで優勝したレシピです。
『エメリアポッド』
Main Deck
9《平地/Plains》
1《山/Mountain》
1《Savannah》
1《Plateau》
4《空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin》
4《乾燥台地/Arid Mesa》
4《不毛の大地/Wasteland》
1《コーの安息所/Kor Haven》
4《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
3《前兆の壁/Wall of Omens》
4《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》
1《ちらつき鬼火/Flickerwisp》
1《理想主義の修道士/Monk Idealist》
1《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
1《崇敬の壁/Wall of Reverence》
1《アカデミーの学長/Academy Rector》
1《目覚ましヒバリ/Reveillark》
1《霊誉の僧兵/Geist-Honored Monk》
1《霊体の先達/Karmic Guide》
2《太陽のタイタン/Sun Titan》
3《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
1《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
1《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》
1《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
1《迫撃鞘/Mortarpod》
4《パララクスの波/Parallax Wave》
1《オパール色の輝き/Opalescence》
1《出産の殻/Birthing Pod》
1《殴打頭蓋/Batterskull》
Sideboard
1《審問官の総督/Inquisitor Exarch》
1《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
1《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
3《赤霊破/Red Elemental Blast》
1《紅蓮破/Pyroblast》
1《墓場の浄化/Purify the Grave》
1《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
1《無限の日時計/Sundial of the Infinite》
1《暖気/Warmth》
1《浄化の印章/Seal of Cleansing》
1《法の定め/Rule of Law》
2《神の怒り/Wrath of God》
その後、同じ方が、2012年の6月に、第7回 KMCで優勝したレシピです。
Main Deck
4《空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin》
4《不毛の大地/Wasteland》
4《乾燥台地/Arid Mesa》
1《Savannah》
1《Plateau》
1《コーの安息所/Kor Haven》
1《処刑者の要塞/Slayers’ Stronghold》
8《平地/Plains》
1《山/Mountain》
4《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
3《前兆の壁/Wall of Omens》
4《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》
1《ちらつき鬼火/Flickerwisp》
1《理想主義の修道士/Monk Idealist》
1《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
1《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
1《崇敬の壁/Wall of Reverence》
1《修復の天使/Restoration Angel》
1《霊誉の僧兵/Geist-Honored Monk》
1《霊体の先達/Karmic Guide》
1《目覚ましヒバリ/Reveillark》
2《太陽のタイタン/Sun Titan》
4《パララクスの波/Parallax Wave》
1《オパール色の輝き/Opalescence》
2《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
1《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
1《出産の殻/Birthing Pod》
1《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》
1《迫撃鞘/Mortarpod》
1《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
1《殴打頭蓋/Batterskull》
Sideboard
3《赤霊破/Red Elemental Blast》
1《紅蓮破/Pyroblast》
1《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
1《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
2《神の怒り/Wrath of God》
1《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
1《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
1《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
1《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
1《墓場の浄化/Purify the Grave》
1《審問官の総督/Inquisitor Exarch》
1《浄化の印章/Seal of Cleansing》
ちなみに、海外ではあまり使われることはないようです。
多少は検索してみましたが、もっとも上記のエメリアポッドの近いデッキで結果を出したのが、エクステンデッドで2011年3月にプロツアー予選で優勝した『Mono-White Control』ですね。すごい古いです・・・
一応モダンではエメリアを使ったデッキは多少はあるのですが、正直に言ってあまりよい結果を出しているレシピはないですし、結果を出しているのは、エメリアが入っている白ウィニーとかトークンデッキとかのようです。
一応そのレシピです。
『Mono-White Control』
creatures (18)
4 《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》
4 《ちらつき鬼火/Flickerwisp》
2 《孤独な宣教師/Lone Missionary》
4 《太陽のタイタン/Sun Titan》
4 《前兆の壁/Wall of Omens》
lands (24)
12 《平地/Plains》
4 《空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin》
4 《湿地の干潟/Marsh Flats》
4 《地盤の際/Tectonic Edge》
spells (18)
3 《迫撃鞘/Mortarpod》
4 《威圧の王笏/Scepter of Dominance》
4 《忘却の輪/Oblivion Ring》
4 《流刑への道/Path to Exile》
3 《審判の日/Day of Judgment》
sideboard
2 《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
4 《テューンの戦僧/War Priest of Thune》
3 《糾弾/Condemn》
1 《軍部政変/Martial Coup》
4 《記憶殺し/Memoricide》
1 《沼/Swamp》
さて、上記のYamaguchi氏のデッキですが、通常のレガシーのメタとは全く違ったこともあり、多くのデッキに対して劇的な強さを発揮します。
基本的には、パーマネントを使用したボードコントロールになるため、ビート系デッキに対して非常に強いです。
そして、カナスレ系などの土地を攻めてくるデッキに対しても強いです。
なんせ、土地25枚で、その中には基本地形が10枚も入っています。土地サーチカードも5枚も入っており、マナ事故への耐性が極めて高くなっています。
ただし、火力はやや苦手であり、火力多めのZooやトライバルズー(瞬唱の魔道士+部族の炎入り)はやや分が悪くなるようです。
もっとも、それを気にして、「暖気」「法の領域」などをサイドに積んでいるため、最終的にはそれほど相性が悪くはないようです。
搭載されているカードのほとんどが何らかのカードとシナジーを持っている上に、場に出た時の能力を持ったカードばかりで、1枚が2枚分のカードの効果を発揮します。
そのため、カード1枚が最低でも2枚、シナジーを形成できれば3枚以上の価値を発揮するため、単純な消耗戦にはかなり強いです。
ただし、1枚1枚が重かったり、打点が低かったりと、相手を早く倒すことは出来ません。
盤面を支配してから少しずつダメージを与えて勝つか、コンボによって勝つかのどちらかとなります。
ビート系に対して強い反面、コンボ系への相性は最悪です。
現在のコンボで主流の、ANTやSNTなどはもちろん、ハイタイドやハイブマインドなど、様々なコンボに対して構造的に勝つのが困難になっています。
当然サイドボードはコンボ対策に割かれていますが、正直言って焼け石に水な面があり、それほど相性が改善できるわけではないようです。
さて、このデッキは、1枚積みのカードが多いですが、どれもがシナジーを形成しているため引けなくて困る、ということはあまり無いようです。
例えば、5マナ域のクリーチャーは、《目覚ましヒバリ/Reveillark》《霊誉の僧兵/Geist-Honored Monk》 《霊体の先達/Karmic Guide》 の3種類となっています。
これらは互いにシナジーを形成しています。
例えば、ヒバリと先達はどちらもリアニメイト出来るカードですが、片方を2枚積んだだけではただのアドが取れるリアニメイトカードにすぎませんが、両方がそろえば、無限に循環させることが出来るようになります。
そして、どちらもデッキ内のほとんどのカードをリアニメイト出来ます。
このデッキは1枚刺しが多いものの、序盤の動きはある程度決まっており、
2ターン目には、 4枚入っている《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》か 3枚入っている《前兆の壁/Wall of Omens》 か1枚刺しの「迫撃鞘」をプレイする。
3ターン目には、巡礼者の目か、その他アドを取れるパーマネントを展開する。
4ターン目からは、シナジーとなるカードを使って動いていく、という感じです。
そのため、他の1枚刺しが多いデッキと違って、安定性が高くなっています。
さて、上記の解説の中で、コンボという言葉を使いました。
このデッキは、非常に多様な勝ち筋を持っています。コンボもその一つです。
ほとんどのカードが何らかのカードとシナジーがあるため、なかなかコレを警戒するべきとは言い難いのですが、特に気をつけたほうがよさそうなものを挙げます。
① 《パララクスの波/Parallax Wave》 +《オパール色の輝き/Opalescence》
オパール色の輝きによって、パララクスの波がクリーチャーになります。
コレにより、パララクスの波が、能力によって自分自身を追放できるようになります。
自分自身を追放した場合、当然自分が追放されてから、自分が戦場を離れた時の効果が誘発して、自身が戦場に戻ります。その際に、パララクスの波のカウンターが5つに戻り、他に追放したカードも戦場に戻ります。
これで、無限に出したり追放したりを繰り返すことが出来ます。
この際に、戦場に出た時に効果を発揮するカードが一緒に入れば、その効果を何回でも使えるわけです。
例えば、「前兆の壁」があれば無限ドロー。
「霊誉の僧兵」がいれば無限トークン+無限パワー・タフネス。(ここで剣を鍬にがあれば無限ライフです。)
という感じです。
② 《パララクスの波/Parallax Wave》 +《理想主義の修道士/Monk Idealist》
パララクスの波のカウンターがなくなって墓地に落ちる際に、理想主義の修道士を追放していれば、修道士が戦場に戻った時にパララクスの波を回収することが出来ます。
つまり、何回でもパララクスの波が使えるわけです。
③ 《パララクスの波/Parallax Wave》 +他のクリーチャー全て
②で挙げたコンボと同じなのですが、このデッキのクリーチャーは全て戦場に出た時の能力を持っています。そのため、自分でパララクスの波の能力で追放することで、改めて戦場に出た時の能力を使うことが出来るわけです。
このデッキのパララクスの波は、相手のクリーチャーを追放することももちろんあるのですが、相手のクリーチャーを他のクリーチャーでブロックし、ブロックしたクリーチャーをパララクスの波で取り除いて再利用する、といった使い方もします。便利なカードですね。
④ 《霊体の先達/Karmic Guide》+《目覚ましヒバリ/Reveillark》
霊体の先達は、戦場に出た時に墓地からクリーチャー1体を戦場に戻す。
目覚ましヒバリは、戦場を離れた時に墓地からパワー2以下のクリーチャー2体を戦場に戻す。
霊体の先達のパワーが2のため、ヒバリで戻せるため、ぐるぐると循環させる事ができます。
このデッキでは「ゴブリンの砲撃」といったマナを使わずに生贄に捧げる手段がないため、即座に循環させる事はできませんが、グルグルするたびにアドをとり続けることが出来ます。
⑤ 空の遺跡、エメリア+平地たくさん
時間をかけるデッキのため、最終的には土地(平地)がたくさん並ぶため、後は毎ターンエメリアでクリーチャーを戻し続ければアドが取り放題になります。
元々25枚という多めの枚数になっていますが、「巡礼者の目」「真面目な身代わり」といったカードが沢山入っているのはこのためです。
⑥ 出産の殻
全てのクリーチャーがアドを取れるため、毎ターン生贄に捧げ続けるだけでアドが発生します。
アカデミーの学長を持ってきて、①のコンボに繋げたり、その時に応じたカードを持ってこられるため、非常に厄介です。
⑦ 《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》 +《迫撃鞘/Mortarpod》
地味な、接死+1点ダメージのコンボです。
スタンだと、「イゼットの静電術師」+「ベラドンナの行商人」のコンボをやった人も多いのでは無いかと思います。
地味ながら、クリーチャー戦では無双です。
ちなみに製作者は、石鍛冶で最初に一番持ってくるのが「迫撃鞘」であると言っているくらいに「迫撃鞘」は重要なカードです。
デッキ名の、エメリアポッド自体、「空の遺跡、エメリア」+「迫撃鞘/Mortarpod」+「出産の殻/Birthing Pod」からきているとかなんとか。
他にも様々なシナジーに満ちあふれており、ぶっちゃけ作成者の偉大さが伝わってくるレシピです。スゴイもんです。
とにかくボードコントロールのため、コンボ以外には相当強いです。
使っていて楽しいですし、そこそこ愛好者はいるようです。
私自身、過去に大会で3回は対戦したことがありますしね。
後編では、この対策とサイドについてです。
コメント
書いてある通り、火力はきついですがあとのビートには勝てますね!
ジェイス相手になにもできずたくさんの試合で、奥義をみてきたのはいい思い出ですw
リストを見ると意外と安価で組めそうなのもいいですね!
相互リンクさせていただきました。
よろしくお願い致します^^
Kohさんとは顔見知りなので何度か戦った事があります。
ZEN当時のスタンは勿論、モダンやレガシーでもエメリアを使い続けてました。
ちなみにこのデッキ、尋常じゃない練習量が必要になると身内で話題でした。
局面局面の選択肢が豊富だからこそプレイングが難解で、選択をミスると気付かない内にじわじわ不利になってしまうので……。
おおー。おめでとうございます。
ビートにやったら強いから、メタによっては十分アリですもんね。
おっしゃるとおりで、ジェイス等PWに本当に弱いのが欠点ですよね。経験者にそう言ってもらえると、助かりますb
>だぁとらさん
非常に考えさせられて面白いですね。その分プレイングが難しそうなトコはありますが・・・
確かに改めてリストを見るとかなり安価ですね。コレは相当お手軽かもしれません。
>プライス大尉さん
どうもありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
>キツネさん
お久しぶりです。
顔見知りで対戦経験があるとはすごい。ちょっとうらやましいです。
なるほど、そうやって使い込んでいたから、ああいったすごい結果が出たのですね。ホントすごい。
実際、単体で強いというよりもシナジーで強いカードが多いから、非常に考えさせられそうなデッキですね。
正直、プレイングが難しいであろう点は、後編で取り上げようと思っていたため助かります。
現在このデッキを作るためにパーツを集めている途中ですが大変参考になります。
たしかにプレイングがとても難しそうですね。
せっかくコメントを下さったこともあり、良い機会かと思って書かせて頂きました。
少しでも参考になれば幸いです。
実際プレイングはかなり難しいみたいですね。シナジーが多すぎて、ドレをプレイすればいいのかを的確に見極めるのは、相当の練習が必要そうです。