昨日のコメントにもいくつか希望が書いてありましたので、今回はエルフについて書きます。
・・・正直、DNの中にも、エルフのスペシャリストが何人もいるため、私ごときが解説するのも恥ずかしいのですけど・・・ともあれせっかくなのでお付き合いください。
いわゆるエルフデッキ自体は、少し前からマジックをやっているプレイヤーならば、多くの方が使ったことのあるデッキだと思います。
最近だと、ローウィンの黒緑エルフとか、大ドルイドを利用してマナをたくさん出すデッキとかですね。
ただし、レガシーのエルフデッキは、それらとは違います。
確かにビートダウンもするのですが、どちらかと言うとコンボデッキになります。
以前は親和エルフやElvesと違いが少しあったのですが、最近は統一されてきている様子です。
現在大会でエルフデッキに当たった場合は、大体下記のレシピのデッキのはずです。
まず、一般的なレシピを載せます。SCGで最近結果を出したレシピです。
creature [32]
1 《樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers》
1 《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》
4 《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》
4 《エルフの幻想家/Elvish Visionary》
4 《遺産のドルイド/Heritage Druid》
2 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
4 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
1 《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
4 《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
2 《威厳の魔力/Regal Force》
4 《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》
1 《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
sorcery [10]
4 《垣間見る自然/Glimpse of Nature》
3 《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
3 《自然の秩序/Natural Order》
land [18]
1 《森/Forest》
2 《Bayou》
1 《湿地の干潟/Marsh Flats》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1 《Savannah》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
1 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
4 《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》
60 cards
sideboard:
1 《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》
1 《大祖始/Progenitus》
1 《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
3 《突然の衰微/Abrupt Decay》
2 《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
1 《自然の秩序/Natural Order》
2 《思考囲い/Thoughtseize》
3 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
1 《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》
15 cards
さて、このデッキがスタンダードと違う点は、下記の2枚の存在によります。
まず、「垣間見る自然」です。神河物語のカードですが、あまりの強さなどで、モダンでは禁止カードになっています。
要するにすべてのクリーチャー呪文に、「カードを1枚引く」が追加されるだけのカードです。
しかし、デッキの土地枚数が少なく、ほとんどが1マナクリーチャー呪文になっているうえ、「遺産のドルイド」や「樺の知識のレインジャー」によってエルフをタップすることでマナを出せるため、大量のカードをドロー&プレイすることができます。
その爆発力は凄まじくて、場合によっては2ターン目にデッキのカードほとんどを引き切ることも出来ます。
そして、もう一枚が、「自然の秩序」です。
4マナソーサリーで、コストで緑クリーチャーの生贄がいるものの、ライブラリーから好きな緑クリーチャーを場に出せるという破格のカードです。
メインでは、スタンでも人気の「孔蹄のビヒモス」をサーチしてくる場合がほとんどです。
単純に1/1クリーチャーが3体+ビヒモスだけ24点ダメージを与えることが出来ます。
ちなみにサイド後では、「大祖始」をサーチして来ることが多いです。
垣間見る自然の爆発力と、自然の秩序と「緑の太陽の頂点」のサーチカードがあることで、凄まじい速度と展開力があるデッキとなっています。
では注意点を
1 すべてのクリーチャーは除去できない。コンボパーツなるクリーチャーを優先的に除去すること。
ある意味当たり前のことなのですが、エルフデッキの大部分はクリーチャーです。そのため、全てを除去することは難しく、現実的ではありません。
そのため、コンボパーツを優先的に除去する必要があります。
もっとも除去しなければならないのは、「遺産のドルイド」になります。
エルフを3体タップすることで、3マナを生み出せるこのクリーチャーは、デッキのエルフほとんどに対してフリースペルと同じような効果を与えるわけです。
コレがいるだけでマナが潤沢になってしまうため、1番最初に除去するべきカードです。
そして、「イラクサの歩哨」についても要注意です。
「遺産のドルイド」だけではマナが増えず、コンボ自体も繋がりにくいのですが、このカードが出ていると話が変わります。
緑スペルを使うとアンタップできるため、遺産のドルイドと組み合わせることで、クリーチャーをプレイするたびに1マナずつ増やしていくことが出来ます。
(遺産のドルイド、イラクサの歩哨、イラクサの歩哨 がいる状況で、まず3体タップして3マナを生み出す。そして1マナエルフをプレイすると、イラクサの歩哨2枚がアンタップするため、プレイしたエルフとイラクサの歩哨2枚をタップして、さらに3マナを生み出す というような動き)
これが出来るようになると、垣間見る自然によるコンボが止まらなくなり、大量のマナから緑太陽の頂点でビヒモスを持ってこられたり、エムラクールをプレイされたりします。
他のエルフも強力なカードばかりなのでなるべく除去をしたいのですが、コンボによる突然死を防ぐには、上記の2体を除去するのが手っ取り早いです。
2 ワイアウッドの共生虫に気をつけよう
「ワイアウッドの共生虫」が戦場にいる場合、エルフに対する単体除去が完全に無効になると思って構いません。(能力のコストとして手札に戻されてしまうため、除去するのが極めて難しくなる)
もしもワイアウッドの共生虫を出されてしまった場合は、最初にコレを除去するしかありません。
能力でアンタップする事ができるのもやっかいで、ラノワールのエルフなどと組み合わせてマナを伸ばすことが出来ます。
(「ドライアドの東屋」や「クウィリーオン・レインジャー」も同じです)
また、強い動きとは言えませんが「エルフの幻想家」を戻すことで、ブロッカーとドローを補うことも出来ます。
3 相手のスペルは出来る限り通すな
青でないと打ち消せないのですが・・・通ってしまっただけで、どれも致命的な効果を発揮します。
エルフにはおおむね3種類しかスペルは入っていません、「垣間見る自然」「緑の太陽の頂点」「自然の秩序」です。
まず垣間見る自然に関しては、コンボのキーとなるカードで、なんとしてでも打ち消すべきです。
「自然の秩序」だと、ビヒモスなどによるフィニッシュ。もしくは威厳の魔力。
「緑の太陽の頂点」だと、その時点で一番欲しいシステムクリーチャー。威厳の魔力による大量ドロー、もしくはビヒモスを持ってこられてしまいます。
とはいえ、低マナ域でプレイされている限りは、そこまで恐れるものでもありません。
ただし、ワイアウッドの共生虫を持ってこられて除去を防がれたり、遺産のドルイドなどでコンボスタート、システムクリーチャーなどと柔軟性が非常に高いため、実に危険です。
とりあえず簡単な注意点は上記のものです。
メインだとうまく除去を使えないと勝機は薄いですね。無駄に除去を使うのでなく、ピンポイントに除去を使うようにしましょう。
後編では、サイドボード後の話になります。
「エルフなんて仕組まれた疫病を使えば簡単だよね。」
と思っている人ほど気をつけたほうがいいお話になります。
・・・正直、DNの中にも、エルフのスペシャリストが何人もいるため、私ごときが解説するのも恥ずかしいのですけど・・・ともあれせっかくなのでお付き合いください。
いわゆるエルフデッキ自体は、少し前からマジックをやっているプレイヤーならば、多くの方が使ったことのあるデッキだと思います。
最近だと、ローウィンの黒緑エルフとか、大ドルイドを利用してマナをたくさん出すデッキとかですね。
ただし、レガシーのエルフデッキは、それらとは違います。
確かにビートダウンもするのですが、どちらかと言うとコンボデッキになります。
以前は親和エルフやElvesと違いが少しあったのですが、最近は統一されてきている様子です。
現在大会でエルフデッキに当たった場合は、大体下記のレシピのデッキのはずです。
まず、一般的なレシピを載せます。SCGで最近結果を出したレシピです。
creature [32]
1 《樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers》
1 《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》
4 《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》
4 《エルフの幻想家/Elvish Visionary》
4 《遺産のドルイド/Heritage Druid》
2 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
4 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
1 《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
4 《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
2 《威厳の魔力/Regal Force》
4 《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》
1 《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
sorcery [10]
4 《垣間見る自然/Glimpse of Nature》
3 《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
3 《自然の秩序/Natural Order》
land [18]
1 《森/Forest》
2 《Bayou》
1 《湿地の干潟/Marsh Flats》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1 《Savannah》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
1 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
4 《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》
60 cards
sideboard:
1 《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》
1 《大祖始/Progenitus》
1 《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
3 《突然の衰微/Abrupt Decay》
2 《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
1 《自然の秩序/Natural Order》
2 《思考囲い/Thoughtseize》
3 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
1 《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》
15 cards
さて、このデッキがスタンダードと違う点は、下記の2枚の存在によります。
まず、「垣間見る自然」です。神河物語のカードですが、あまりの強さなどで、モダンでは禁止カードになっています。
要するにすべてのクリーチャー呪文に、「カードを1枚引く」が追加されるだけのカードです。
しかし、デッキの土地枚数が少なく、ほとんどが1マナクリーチャー呪文になっているうえ、「遺産のドルイド」や「樺の知識のレインジャー」によってエルフをタップすることでマナを出せるため、大量のカードをドロー&プレイすることができます。
その爆発力は凄まじくて、場合によっては2ターン目にデッキのカードほとんどを引き切ることも出来ます。
そして、もう一枚が、「自然の秩序」です。
4マナソーサリーで、コストで緑クリーチャーの生贄がいるものの、ライブラリーから好きな緑クリーチャーを場に出せるという破格のカードです。
メインでは、スタンでも人気の「孔蹄のビヒモス」をサーチしてくる場合がほとんどです。
単純に1/1クリーチャーが3体+ビヒモスだけ24点ダメージを与えることが出来ます。
ちなみにサイド後では、「大祖始」をサーチして来ることが多いです。
垣間見る自然の爆発力と、自然の秩序と「緑の太陽の頂点」のサーチカードがあることで、凄まじい速度と展開力があるデッキとなっています。
では注意点を
1 すべてのクリーチャーは除去できない。コンボパーツなるクリーチャーを優先的に除去すること。
ある意味当たり前のことなのですが、エルフデッキの大部分はクリーチャーです。そのため、全てを除去することは難しく、現実的ではありません。
そのため、コンボパーツを優先的に除去する必要があります。
もっとも除去しなければならないのは、「遺産のドルイド」になります。
エルフを3体タップすることで、3マナを生み出せるこのクリーチャーは、デッキのエルフほとんどに対してフリースペルと同じような効果を与えるわけです。
コレがいるだけでマナが潤沢になってしまうため、1番最初に除去するべきカードです。
そして、「イラクサの歩哨」についても要注意です。
「遺産のドルイド」だけではマナが増えず、コンボ自体も繋がりにくいのですが、このカードが出ていると話が変わります。
緑スペルを使うとアンタップできるため、遺産のドルイドと組み合わせることで、クリーチャーをプレイするたびに1マナずつ増やしていくことが出来ます。
(遺産のドルイド、イラクサの歩哨、イラクサの歩哨 がいる状況で、まず3体タップして3マナを生み出す。そして1マナエルフをプレイすると、イラクサの歩哨2枚がアンタップするため、プレイしたエルフとイラクサの歩哨2枚をタップして、さらに3マナを生み出す というような動き)
これが出来るようになると、垣間見る自然によるコンボが止まらなくなり、大量のマナから緑太陽の頂点でビヒモスを持ってこられたり、エムラクールをプレイされたりします。
他のエルフも強力なカードばかりなのでなるべく除去をしたいのですが、コンボによる突然死を防ぐには、上記の2体を除去するのが手っ取り早いです。
2 ワイアウッドの共生虫に気をつけよう
「ワイアウッドの共生虫」が戦場にいる場合、エルフに対する単体除去が完全に無効になると思って構いません。(能力のコストとして手札に戻されてしまうため、除去するのが極めて難しくなる)
もしもワイアウッドの共生虫を出されてしまった場合は、最初にコレを除去するしかありません。
能力でアンタップする事ができるのもやっかいで、ラノワールのエルフなどと組み合わせてマナを伸ばすことが出来ます。
(「ドライアドの東屋」や「クウィリーオン・レインジャー」も同じです)
また、強い動きとは言えませんが「エルフの幻想家」を戻すことで、ブロッカーとドローを補うことも出来ます。
3 相手のスペルは出来る限り通すな
青でないと打ち消せないのですが・・・通ってしまっただけで、どれも致命的な効果を発揮します。
エルフにはおおむね3種類しかスペルは入っていません、「垣間見る自然」「緑の太陽の頂点」「自然の秩序」です。
まず垣間見る自然に関しては、コンボのキーとなるカードで、なんとしてでも打ち消すべきです。
「自然の秩序」だと、ビヒモスなどによるフィニッシュ。もしくは威厳の魔力。
「緑の太陽の頂点」だと、その時点で一番欲しいシステムクリーチャー。威厳の魔力による大量ドロー、もしくはビヒモスを持ってこられてしまいます。
とはいえ、低マナ域でプレイされている限りは、そこまで恐れるものでもありません。
ただし、ワイアウッドの共生虫を持ってこられて除去を防がれたり、遺産のドルイドなどでコンボスタート、システムクリーチャーなどと柔軟性が非常に高いため、実に危険です。
とりあえず簡単な注意点は上記のものです。
メインだとうまく除去を使えないと勝機は薄いですね。無駄に除去を使うのでなく、ピンポイントに除去を使うようにしましょう。
後編では、サイドボード後の話になります。
「エルフなんて仕組まれた疫病を使えば簡単だよね。」
と思っている人ほど気をつけたほうがいいお話になります。
コメント
レガシーはいつか参入したいと思ってるので勉強になりました。
リンクさせていただきますのでよろしくお願いします。
友人のエルフの爆発力すごくて、
ソープロの適切な対象がよくわからなかったので
助かります
遺産とワイヤウッドは確かにmust除去ですね
個人的にはティタニアも若干ウザいんですが
エルフ参照でマナを出すクリーチャーの
除去基準は何ですか?
初めまして。こちらからもリンクさせて頂きました。
そう言って下さると嬉しいです。ありがとうございます。
少しでも参考になれば幸いです。
>黒色水蓮さん
マナを出すクリーチャーの除去基準なのですが、それを生かしておいた場合の脅威具合によりますね。
クリーチャーが並んだ時に「ティタニアのエルフ」「エルフの大ドルイド」はヤバイです。
大量のマナからの素出しビヒモスや緑頂点サーチがありえますしね。
特に「エルフの大ドルイド」は、全体強化によってビートプランが出てきてしまうため危険です。
逆に、ラノワールのエルフは単体ではそれほど大したことはないため、ほかっておいたほうがよいと思います。
もし継続的に除去が出来るのならば、エルフよりはクウィリーオン・レインジャーを除去したほうが良いですね。
リンクさせていただきましたのでよろしくお願いいたしますm(__)m
リンクありがとうございます。
少しでも参考になれば幸いです。